土曜日の朝が一番好きだ。
これを書いているのは、金曜日の仕事終わりだ。私の今の幸福度がどれほど上がり調子か、ご理解いただけると思う。
理想はいつもと同じ時間に起きて、早くからオープンしているカフェで大好きなコーヒーを飲みながら午前中いっぱい本を読むこと。それから帰って昼寝ができれば最高の土曜日だ。
外で読書する時はカフェに一人で行く。私にとって1週間で最も幸福度が高い時間を大事にしたいし、妥協したくないのだ。だって、1週間で最も幸せということは月に4回、年に50回しかない。
面倒臭いと分かっていても、ひとりにこだわり、幸福を最大化したい。
ひとり読書におけるカフェ選びの最適解
さて、ひとり利用を前提とした場合、通いたいカフェとはどんな所だろう。
雰囲気のいいお店、おしゃれなお店、隠れ家的なお店、はたまた常連客として認知してもらえるお店だろうか?
どれも、違う。
これらはどれも、安心してひとりを楽しむには、不要な特徴だ。
チェーン店。 最適解はチェーン店である。
若いころ、私も前述のような店に憧れたりした。
今だってたまにオシャレな人に紛れて流行りのカフェに行きたい気分の日もあるが、毎週末じゃない。疲れるし落ち着かない。こういういい感じの店は、誰かとたまに行ければ十分だ。
1人は珍しいし、周りを見渡せば楽しそうな若い女性たちやカップルばかりで勝手に居た堪れなくなる。
あえて小難しい本を読んで知的ぶったりしてなんとか自我を保ってみせても、なぜかいつもより文字は入ってこないし同じ場所ばかり読んでいる。集中しているフリがしたいから早くページをめくりたいのに全然進まない。唯一の話し相手だった友人にも裏切られた気分である。
チェーン店以外にも、もちろん好きでたまに行く老舗の喫茶店やこだわりのカフェもあるが、結局あまり読書に集中できない。美味し過ぎる一杯どりのコーヒーに美しいカップ、焙煎機からしてくる早朝の残り香、素晴らしいサービスをしてくれるマスター……これらは悲しいことに私を散漫にさせる。
幸せは一度にたくさんは味わえない。
読書体験を最大化するには、アウェイな感覚でいたたまれなくなることもなく、過度な刺激のない満足と安心を届けてくれる、居心地の良さが必要だ。
チェーン店の良さ
チェーン店は、期待できるサービスの質も量もまことにはっきりしている。
ネットで各店舗のメニューが見られることも多い。初めて行く店舗であっても、席配置や雰囲気がある程度見知った感じになっている。
事前情報が多く、他店舗もふくめ再現性が高いのだ。
混む時間もはっきりしているので、大体行くべきタイミングも読める。
私は休日になるべく長く滞在したい場合、朝早めに行くことで席を確保し、昼前の込み始める時間に去ることが多い。
混雑はもちろんしない方がいいが、都会のカフェなどは難民が出るほど混むのが大前提だ。
個人の経営するお店だと、店内がすべて見渡せる環境だったりして、混雑状況によっては空気を読まざるを得ないこともある。
その点、チェーン店は店全体を把握するほど狭くないことが多いし、混んでいたとしても誰も自分に興味もなければ、関心もない。混んでいても群に紛れられるのだ。
たとえば、私のように本を読みに行きたい場合、もしくは集中して何か作業をしたい場合に、それがその店で禁止行為でない保証はどこにもない。
勉強禁止、作業禁止、読書禁止・・・・・・時間制でもなく、内容を禁止されてしまうとそもそものカフェや喫茶店はしゃべりに行く以外になくなる。
大声で騒いでいる人は良くて、静かに読書している人が悪いのは、回転率の点でのみだ。
それなら、注文から何時間と決めてくれた方がこちらとしてもやりやすいし、店に迷惑をかけずに堂々としてられる。
また、コミュニケーションをとりたいなら別だが、そもそも一人で店にこもりたくて店に行く場合、店員さんに話しかけられること、あまつさえ常連だと認識されることは先に述べた散漫さを誘引するという点において大きなデメリットだ。
その点チェーン店は客の母数も多く認識されづらいし、店員さんも忙しいので無駄に話しかけたりはしない。今はネットオーダーで会話がほとんど必要ないところもある。
万が一「最近通いすぎて顔を覚えられている気がする……恥ずかしい」と自意識過剰に陥った場合には、近くの数店舗を周回する手もある。
システマティックでプラグマティックなチェーン店は客層を絞りすぎないため、一人で使うには大変ありがたい場所だ。脳死で通う身としては、年々その良さが身に染みる。私のような人間にも広く間口が開かれていると安心できるのだ。
結論:私が読書で利用するチェーン店とその特徴
結論、私が頻繁に利用するチェーン店は以下のようになった。
- 早朝もしくは開店後まもない時間のスターバックス……スタバは早い時間に限る。10時以降、もしくは開店から2時間以上たつと席はほぼ取れないと思った方がいい。注文時に1.5~2時間制のカードを渡されることがあるので、延長したいときはもう一度注文すると良い。
- コメダ珈琲……どの時間帯でも混んでいるし、どの時間帯でもすぐに入れる謎の店。うるさいのに謎に読書が捗るのも謎。店員さんが元気。混んでいると注文から90分制になるが、注文からなので再度注文すれば問題ない。ボリュームで有名なメニューを一気に頼んでからの再注文は地獄なので注意。モーニングが11時までで最高。椅子の座り心地が一番良い。Wi-Fiとコンセント完備も嬉しい。
- オフィスビルもしくはホテル内のタリーズ……駅ナカ、商業施設内のタリーズは混みすぎるので注意。店舗により雰囲気やコンセプト、混み具合も異なるのでやや再現性は落ちるが穴場はずっと穴場の印象。コーヒーは一番美味しい。
スタバはセカンドハウスのような場所を提供することを目指しているため、マックブックで作業する人や本を読む人だらけだ。もちろん店側もそれを許容している。回転率は悪いが、席さえ取れればむこう数時間の勝利は約束されている。
スタバやタリーズなどで、蔦屋書店や有隣堂などの書店と併設されている店舗なんかはさらに本が読みやすい。本を読むためにあるのだから堂々としてられる。
混んでいることが多いのは難点だが、そういった店舗はあらかじめ90分制であることを明示することが多い。急に声をかけられて、「すみませんのお客様のご迷惑なので…」「そういった行為は困ります」と言われるときの辛さを経験せずに済む。
コメダ珈琲もおすすめだ。
混雑していても座席数が多く回転もいいので、時間を選ばずに行くことができる。モーニングなど混む時間であっても、「注文から90分で声かけ」をルールにしているので、長くいたければもう何度かに分けて注文すればいい。
死角の多い座席配置や、Wi-Fiとコンセントありの座り心地の良い椅子も含め、ゆっくりできる。
好きなメニューはコメダブレンドとモーニングセット。
補足:候補から外れたチェーン店
好きなチェーン店としてサイゼリアも試したが、読書するには合わなかった。
食事の美味しいチェーン店で、本まで読めたら最高じゃないかと思い何度か行ったが、ひとりで入った際に通される席がよくない。
隣の席が近すぎるし、席自体も机の上にものが多いのにかなり狭いことが多く、なんだか落ち着かないのだ。
店舗もいくつか試したが、どこもひとり用の席は隣の人と食事してる気分にさせられ、私のパーソナルスペースを侵す距離だった。
そもそもカフェではないので、食事だけして出るべきなのだろう。
読書で長居するには向いていない。皆さんも気をつけて欲しい。
ちなみにサイゼリアの好きなメニューはガーリックトーストとアロスティチーニとティラミスクラシコ。
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