水曜日はなぜ灰色なのか
平日働く人にとっては、水曜日は折り返しだ。
週末に向かう喜びと共に、まだ半分残っていることに淡い絶望も感じる。
キリスト教には、「灰の水曜日」という言葉があるらしい。
復活祭である日曜日の、46日前にあたる水曜日に行われる斎(物忌み)の儀式のようだ。
十字架などを燃やした灰を使うことに由来する名前らしいが、疲れた会社員には、なんだかしっくりくるネーミングに感じてしまう。
私は、水曜日と木曜日は特にモチベーションを維持しにく苦疲れも溜まるため、灰色と聞いて妙に納得してしまった。
灰色が白黒どっちつかず、といった印象も与えるため、「前半と思えばいいのか、後半と思えばいいのか」「まだ半分か、もう半分か」といった悲喜交々な様子を言い当てているようにも思える。
ちなみに、灰の水曜日に使用される典礼色は紫らしい。さすがに色が多すぎる……。
水曜日を花柄にするために
どうにか水曜日を楽しく過ごそうと、昔はお酒を飲んで良い日にしていたこともある。
今はもう飲酒の習慣はないのだが、当時飲んでいた「水曜日のネコ」は、爽やで軽い飲み心地が憂鬱をわずかに晴らしてくれていたと思う。
水曜日が憂鬱なら、水曜日をご褒美の日にするのも良いだろう。
雨の日が憂鬱なら、雨の日にだけして良いことを決めて、ご褒美の日にするのも良い。
そう思えば、各曜日どころか各日に楽しみが必要な気がしてならない。
働くこと自体が楽しければ最高だが、そう理想ばかりも言っていられない。
私はこの歳になってようやく、楽しく働くためにもそれなりに自分を甘やかすことが大事だと気づいた。
最近は、水曜日の夜は1時間早く寝て、翌日の朝はジムにも行かずゆっくり寝るようにしている。
憂鬱になりやすい水曜日と木曜日の両方が、ほんの少し楽しみで楽になるルーチンだ。
いつか、金曜日だけでなく、水曜日も花柄にできたらいいとは思う。
平日を指折り数え、まるで息継ぎなしで25mプールを往復するように半分過ぎたことを喜ぶ……そんな毎日の過ごし方に、きっと慣れてはいけないはずだ。
副業も、投資も、転職活動も——私は今よりほんの少しだけ息がしやすくなる泳ぎ方を覚えるために取り組んでいる。
いつかご褒美を必要としなくなる日を目指して、無理なく続けていきたい。
コメント