最近ゴールドジムに入会した。
そう、あのゴールドをバックに立つマッチョがアイコンのゴールドジムだ。
長らく憧れていたものの周囲になかったため諦めていたのだが、筋トレ歴4年目にして念願叶ったり。
2月はキャンペーン中だったこともあり、お得に入会することができた。
思い出話
ゴールドジムを最初に知ったのは、おそらく10年以上前。当時まだ京都で学生をしていた頃だ。
誰かがこんなことを言った。
「寒い時期、ゴールドジム二条店の二階の窓ガラスは、マッチョの熱気で曇るんだよ」
実際にある夜、飲み会帰りに偶然見上げた二条店の窓ガラスは曇っていた。
確か、トレッドミルが何台も面した大きなガラス窓。それが、マッチョがマッチョたる所以を隠すようにベールを纏っていた。
真剣なトレーニーをくさす気持ちは当時もなかったが、周囲の人と一緒になって、風物詩のように語られるその光景を、笑って見ていたと記憶している。
その後所属した大学の研究室に、二条店に通っている研究員がいたこともあった。
彼もまた、ジムのイメージを崩さぬ相当なマッチョだったと記憶している。
当時トレーニングに関心がなかったことが口惜しい。
今思えば、年齢を感じさせない密度の高い肉体の持ち主に、色々と聞いて見たかった。
そしてガラスの向こう側へ
それから時が経ち、私は筋トレにすっかりはまった。
YouTubeなどで有名選手やインフルエンサーの発信を見る中で、ゴールドジムへの大衆的な浅い理解も大きく変わり、多少は解像度も上がったと思う。
特にYouTubeでレモンチャンネルのこの動画を見てからは、ゴールドジムのサポートシステムの充実度を知り、通ってみたいと強く思うようになった。
実際、私は入会後すぐに初心者説明会とBIG3説明会の予約をした。
常駐する知識豊富なトレーナーが丁寧に座学も含め教えてくれる。
私は最後にこれまでのトレーニングメニューを見直してもらい、組み直してもらうところまでお願いしたが、本当に勉強になった。
使ったことのないマシンの説明も含め、混んでいる時のトレーニングメニューの代替案、トレーニング種目の優先度など、痒いところに手が届く丁寧な説明——会員費の割に、あまりにもサポートが充実しすぎている。
何より嬉しいのは、常駐のトレーナーさんが皆、筋トレを好きでしているのが伝わってくる。
説明する言葉からはもちろん、鍛え抜かれた肉体もまた雄弁に、かけた熱意や月日を物語っている。
肥沃な知識も肉体も、真剣な人が集まる場の熱く冷静な雰囲気も、全ては筋肉やトレーニングへの愛の結晶であり、我々はその溢れた愛の一部をアドバイスとして享受しているのだと思わされる。
1人のトレーナーさんが説明会の時に私にこう言った。
「大会に興味はありますか? 同じ価値観の仲間や、同じ目標を持つ人たちのコミュニティは良いものですよ」
その言葉は、これまで憧れはあっても大会に前向きになれなかった私の心に確かに響いた。
同じものが好きで集まる場というのは得難く、ジムや大会というのはトレーニーにとっての『サードプレイス』にもなっているのかもしれない。
刺激的でモチベーションが上がる居心地の良い空間。
好きなものについて教わり、好きなものについて語り合い、好きなものに没頭し、好きなものを思い切り研鑽する。
そんな楽しい場所はそうそうない。
大会もいつかでられたらいいな——そんなことを考えながらしたトレーニングは、いつもは30分で切れる集中力がなぜか長続きし、気づけば1時間が過ぎていた。
サードプレイスってなんだ
ゴールドジムを、玄人ばかりでマッチョの巣窟と思っている人は、まだまだ少なくないかもしれない。
私も実際に通ってみて実感したが、本当に幅広い年代の色々な目的の人が通っているし、初心者にこそおすすめのジムだとトレーニーの多くが口を揃えていう理由も納得のサポート体制が整っている。
普通の24時間ジムなどに比べると、たまに明らかな上級者がいるのは確かだが、トレーニングが好きなガチマッチョばかりかというと、決してそうではないのもゴールドジムの素敵なところだと思う。
初心者向けというのは、先に挙げたレモンチャンネルの動画の通りだったが、それはなにも初心者の若者というわけではない。
しっかりとしたトレーニングメニューをこなしている人の中には、女性や高齢者も多くいる。
老若男女、初心者から10年選手、ゆるトレーニーからガチ勢まで、なんでもござれな包容力こそがゴールドジムだった。
また、更衣室ではエアロビ終わりのマダム達が楽しそうに爽やかな笑顔で挨拶している光景も日常だ。
この時間を楽しみに毎日を頑張っている人も少なくはないだろうとそこかしこで感じる。
どこをとっても、先程少し触れたサードプレイスという言葉がもったいないほど、人生の充実に圧倒的な貢献をするコミュニティであるように思える。
何がもったいないって、サードプレイスでは3番目だということだ。
ただのナンバリングなら良いが、なんとなく人生での時間のかけ方や優先度の意味合いを汲み取ってしまう。
私はすでに気持ちの上では、ジムをサードプレイスではなく、ファーストやセカンドと言った方がしっくりくる日がある。
ファーストプレイスが家で、セカンドプレイスが職場。サードプレイスを持つべきという最近の論調の中では、それぞれこのように位置付けられているが、割く時間はともかく、気持ちの上では趣味や身近なコミュニティに仕事以上の重きを置きたい。
私は今すでに、仕事場よりもその後に行くゴールドジムの方が充実して感じるし、居心地が良い空間であることは間違いない。
仕事では理不尽に叱責されたり、足を引っ張られたり、挨拶を返されなかったり、やりたくないことを押し付けられるなんてことは当たり前に起こる。
しかし、ゴールドジムではスタッフさんが爽やかに挨拶してくれて、我々トレーニーの健康と成長を見守ってくれ、さらには望めばその手伝いまでして導いてくれるのだ。
こんな優しい世界は他にない。
今後の人生のファーストプレイスとして、健康を支える充実のジムライフを長く楽しんで行きたい。